ちまちま織り工房

織ることが好きです。草木で染めること、羊毛を紡ぐこと、縫うこと、編むこと、作ることいろいろを楽しんでいます。

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久しぶりに、一冊、(織りや染め以外の、ふつうの小説の)本を読み終えました。


からくりからくさ (新潮文庫)からくりからくさ (新潮文庫)
(2001/12)
梨木 香歩

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本屋さんの店頭で、手にとってぱらぱらとめくっていたら、
「織り」
「草木染め」
などの単語が目に入ったので(笑)。
そういうことを扱った小説って、珍しいのではないかしら、と思って、購入。
梨木香歩さんの本は、以前に『西の魔女が死んだ』を読んでいたので、楽しみでもありました。


草木染めを学ぶ女性と、その3人の友人と、1人の人形の共同生活を軸に、物語は織り綴られます。
この物語からは、織り物を作る過程が連想させられます。
布の素材を選ぶように、4人の女性が集まり。
経糸をたてるように、彼女たちの人生が不思議なバランスで並び立っていきます。
一人ひとりの心模様、ルーツが、緯糸となり。
布の文様を織りなしていくようでした。
読み終わった時、物語の見えない織り手は、人形の「りかさん」だったのではないか、と思えました。


不思議な味わいの作品で、はかなく、うつくしく、じわっと心に染みました。
何度も、途中で引き返して、前の内容を確認して、それから再び読み進みました。
それは、織り間違いをしていないか、確認して織りなおしたり、緯糸をほどく作業のようでした。
一度、読み終わって。
ふうっとひと息ついて、印象に残った場面をもう一度読み返し。
それから、改めて、最初から読み直しました。


『からくりからくさ』を読むと、著者の梨木香歩さんは、織りや染めの経験がおありなのかしら、と、思います。

織り手の心と、機の音。
草木から色という宝をいただく時の、不思議な心持ち。
織り手たちが、何世代にもわたって織りの中に受け継いできた、伝統とアイデンティティ。
暮らしの中で、女たちが受け継いできた、生活の一部としての、織り。
産業としての、織り。それによって生活を支えてきた女たちの心意気。

なぜこんなに、この人はわかってしまうのだろう。
そんな気持ちになりながら、読み返しました。


「手の乱れ(=緯糸のうちこみの強さ弱さ)は、心の乱れ」


とは、先生がよく口にされる言葉です。
手織りだから、もちろん機械のように均一に織ることは、できません。
でも、手織りだからといって、粗かったり、密だったり、雑な作品を織っていいわけでもありません。
手織りの手作り感の中に、平常心と落ち着き、丁寧さと正確さ、それらを心がけて…、ということだと思います。
『からくりからくさ』を読んで、なんだか、すとんと心の中に落ちて来て、楽になりました。


心がちょっと荒れて、つらい方。手を止めて、『からくりからくさ』を手に取ってみませんか?






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コメント

私も読んでみようと思います。
そう言えば 最近本を読むことがなかった。
平常心は本当に必要だと思います、
ダイビングをしているのですが 無にならないと
色んな意味で隣り合わせなんです 
無理をせずに 心穏やかが理想なのですが
織りたい 編みたい 書きたいときが
一番良い作品が出来るのではないでしょうか?
なんて 生意気でした。。。

明日買いに行ってこようかなと思ってしまいました。
じぇんねさんのレビューにつられて
同じ内容の本棚になっていきそうです。

織りしたくなっちゃうんだろうな
織り機買ってしまうかもと思いながら
読み進めたいと思います。

Re: gaboさん

gaboさん、こんにちは。『からくりからくさ』は、文体がちょっと独特で、不思議なリズムがあるんです。
じんわり作品の世界に取り込まれていく感じ…。心がとても落ち着きました。
こういう時だからこそ、平常心でいることが大切なのだと、強く感じています。
ぜひ読んでみてください。

ダイビングをなさっているのですか!
私の友人にもダイバーがいて、先日、彼女の撮った深い青い海の写真を見せてもらいました。
彼女は音のない海の中で、これを見つめているんだなと、感じ入るものがありました。

> 織りたい 編みたい 書きたいときが
> 一番良い作品が出来るのではないでしょうか?

まったくもってその通りだと思います。
私は今、家では落ち着かなくて「織りたい」が湧き起こってこなくて。
週に一回のお教室で、それを発散しています。今は、そういう時なのかもってことで。ぼちぼちでーす。

Re: 紫音さん

紫音さん、こんにちは。わ~、私、本屋さんの営業みたいですね(笑)。
染めや織りをする人は、『からくりからくさ』の主人公たちの心に、わかる…って方、多いんじゃないかしら。
織りの心とか、植物から色をいただく心を、もう一回思い出す感じ?

織り機ですかあ。買うまでは、「置き場所が…」とか悩むけど、なんとかなるものですよ。
織りは、ハマっちゃうと、お道具貧乏になるんですけどね(苦笑)。
それもまた、幸せなものです。織り機を選ぶのもね♪

「手の乱れは、心の乱れ」
素敵な言葉ですね。

こんな時だから、心に染みます。

心を無にして、手を止めないように
がんばります。

Re: はちはちさん

はちはちさん、こんにちは。ブログ拝読しました。
この震災がいかに大きく、余波というには大きすぎる影響が広がっていることを、痛感します。

こういう時だからこそ、安全なところにいる私たちが浮足立ってはいけないのだと、思います。
(…でも、スーパーやドラッグストアで、買い占めを目撃してしまうんですけどね。残念。)
平常心であること、日常を見失わないこと、自分の足で立つこと。
そして、自分にできる支援を、今だけではなく、被災地が復興するまで続ける気持ちを忘れないこと。
いま、私たちにできることは、そういうことではないかと思います。

半年ほど前に私も読みました。
じぇんねさんの仰るとおり心にすとんと心に落ちてきて時々ふーっと想いおこすことがあります。
私もどきどきする、って少しおかしいのですが1ページ1ページ丁寧にゆっくりと読んでいました。物語が終わりになってしまうのが嫌で・・・。
また読み返してみたくなりました。

Re: くりかのこさん

くりかのこさん、こんにちは。
そうですか、もう読まれていたのですね。心が静かになる、やさしい味わいの本ですよね。
梨木香歩さんの著書リストで、タイトルだけは知っていたけど、なかなか読む気にならなくて。
読んで良かったなーと思います。
こういう時だから、余計にそう思うのかもしれません。

自然からいただくものはたくさんあって、その恵みを私たちは楽しんでいて。
でも楽しむばかりでなく、感謝することを、もしかして忘れてたんじゃないかしら…?
謙虚な気持ちで生きなくてはいけないな、って思います。

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じぇんね

Author:じぇんね
織りや紡ぎ、草木染、時々は編み物なんかもしながら、ちまちまっとした暮らしを楽しんでいます。

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